2022年秋期に摂取したもの
今期の新規摂取物
Created at

4821 Words
⚠️

< 2022年夏期


日本語も満足に操れないおれをころせ。

10月~12月に新しく触れたものの記録です。

すいはん (suihan742)が見たアニメ | Annict


今期

うたわれるもの 二人の白皇

前回の記事で「利根さんの藤原さん演技がすごかった」みたいなことを書いていたが、最後まで観たらそれはまたちょっと間違っていて、
作中でハクがオシュトルの身代わりをし続けた果てにただ真似事ではなくオシュトルを受け継いでハクの面もオシュトルの面もどちらもハク自身のものである、という風に統合されていくのと同じようなことが中の人の演技にも起きているように思えて震えた。トレースじゃなくてもっとすごいことになっていた。1

原作でも思ったけどシリーズ全体のまとめに移行する終盤の運びが全体的にはなんとも言えない感じではある(ウォシスとかクオンとかのくだりとか)のだが、要所要所の演出ではまんまと嗚咽が漏れてしまうのだった。
仲間との別れにひとりひとり言葉を交わすシーンは削られたやりとりに良いところがあったり尺の都合でちょっと巻いてる感じがして少し残念ではあったけど「ゆーびきーりげんまん、」でウッってなって「おじちゃんのうそつき」でウワァッってやっぱりなった。
そして復活のくだりでもう一度同じようなことを繰り返すっていう寸法で「それでこそあんちゃんだ!」「娘を頼む」でウッってなって「時間外労働手当を要求するね」でウオォッってなるわけ。2

機動戦士ガンダム 水星の魔女

エアリアル強いぞかっこいいぞそして怖いぞって部分にめちゃめちゃ力が入っていたので好き。

主人公がいちばんよく分からなくて不穏なのが面白くもありいい加減もどかしくもあり。
エスカレートする悪趣味さで話題になって「これぞガンダム」みたいなこと言われてるの見て「そうだったか?」と思いはしたが、続きは普通に楽しみ。

不滅のあなたへ Season2

何百年生きてめちゃめちゃ本読みまくっていた割にフシっていつまでもそんなに頭良くないような。
読んでたの料理の本だったかー。そうかー。

ぼっち・ざ・ろっく!

ギャグがキレてて面白かった。
だいたい毎話何回観ても笑って変な声出てしまうところがあってよかった。いつもこうやってヘラヘラ笑いながら生きていたい。

それはそれとして演奏はかっちょいいし背景美術なんかも妙に凝っていてずるい。
感想が雑な割にたぶん今期観た中では一番好きだったかなあ。

ヤマノススメ(1期,セカンドシーズン,サードシーズン,おもいでプレゼント,Next Summit)

(Next Summit以外は今期ではないが)

酒食らいながら観てたら尊さに涙していた。
現実の人類はどうしてこういう感じではないんだろうな。

どいつもこいつも妙にすごい家に住んでるな……(ここなちゃん以外)とか、ポンと飛び出てくる装備の値段みたいなところが時折無駄に気になってしまい、ガチの山登りってやっぱりお金持ちの趣味なんだなぁみたいな歪んだ感想を持ったり持たなかったり。

後述する「うんちの行方」の富士山のトイレのくだりを読んだせいで頑張って山を登る一行を眺めながら「二次元JKはウンコなんかしないもん」ってブツブツ唱える羽目になった。ウンコなんかしないもん。

それはそれとして
シリーズの(たぶん)最初の方で紹介された「ほどけない靴紐の結び方」が地味に日常で役立っている。


今期じゃない

EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

エウレカの名前がついた映像作品が新しく作られるたびに「あの頃好きだった交響詩篇をもう一度みせてくれよ」という気持ちにはなるわけだが、「ポケットが虹でいっぱい」や「AO」(なんならHE1,2でも)で「なんだこれ……」ってなったのも全部まとめてこれで完全に着地して"終わってしまった"のだなと感じた。
新作を観る度にモヤモヤと同じように感じてきた人に感慨のある作品なのではないかなと思った。
(でも監督にまた何か語りたいことができたらまたこのキャラクターたちの皮が再利用されてしまうような気もする)

何作も「お前らの観たかったものなんてぜってぇ見せね~~~あんなもんは幻想だったんだよ!!!」みたいなことをし続けた最後に「でも幻想見るのもいいじゃない」って感じで締めるのがとにかくとても面倒くさくてよかった。
現実の世界で余暇にやることが飲酒と筋トレだけのサツバツおばさまになってしまったエウレカが、最後の最後でようやく再会できたレントンの前で飲酒とか筋トレとかとは無縁そうなヒロインの顔に戻ってどこかに消えていくところとかでそんなことを思った。

ドライなオトナとして描かれていたエウレカが最後の方で叫んでいた台詞とか「地球が駄目になるかならないかなんだやってみる価値あるますぜ」的な展開なんかは正直とても安っぽいのだけれど、
それでも叫びながらコンパクドライブを掴んだらいい感じにBGMが盛り上がってレントンがどっからか出てきて手が重なってニルヴァーシュがピカッと光ってなんとかなる……みたいなの「これでいいんだよ」ってなるんだよ。3

交響詩篇の頃からデューイがそういうキャラだったように「ホンモノじゃない自分」「ホンモノへの愛憎」みたいなものが前面に出ていて、過去の監督のインタビューとかと併せて観るとなるほどという感じではあるし、(庵野作品とか冨野作品とか)とにかく"ホンモノ"と監督が思っていそうなもののオマージュがたくさん露骨なくらい差し込まれるのだが、普通に観る側からすればコンテクストとか知らんのでその辺で評価は分かれそうな気がした。

海賊王女

「海賊王女」というよりは「愉快な美少女と(何故か)愉快な(何故か)ニンジャたちの船旅」という感じではあったけど、愉快な部分が結構好きだった。
絵がすごく綺麗だしアニメーションも愉快でよかった。

海賊王女ちゃんカワイイと思って観始めたらヒーロー役であるところの雪丸も強面なのに色々なところでかわいくておいおい待て待ておれはノンケのはずだぜ。4

終盤、フェナのお母様が唐突にどっからか湧いて出てきて自分をつけ狙っていた男といい感じになって色んな意味で熱々になってどっかに召されていく光景をたっぷり見せられるところ「突然こんなの見せられたら娘は何とも言えなすぎるだろ……」とか思ってたら実際に何とも言えてなくて「何だったんだ今の……」な感じで消化されてしまったの笑った。

その直後、最終回でさらに唐突に展開がぶっ飛んでいってエウレカセブンのアクペリエンス回みたいなのが最終回で唐突に始まり、
「急にそんなこと言われても、わからないよ!」
おれもわからないよ!!!ってなった。
セカイ系みたいなこと言い出して世界の今後を選択させられるのいくらなんでも急すぎやしないか???って気になりすぎて画面の中では愛してるだのなんだので盛り上がってるシーンにもめちゃめちゃ置いていかれてしまった。
急に出てきた上位存在が長セリフで設定を説明しだすのマジでよくないと思う。

終盤の展開とか回収されたのかよくわからない謎とか消化不良で最終回以外は好きだった故にかなりモヤっとはしたが、雪丸が最後最高にかわいかったからまぁよかったよ。

幸腹グラフィティ

序盤、リョウが「ひとりでご飯食べてたから不味かったんだ!」みたいな気付きを得るところで「はぁ~~~うるさいんですけど???」ってなったけどまぁ二次元JCたちがコストを気にせず美味そうなご飯たくさん作って一緒に楽しそうに食べてる映像が気にくわないわけがなく。

美味表現でなんかやたら色っぽい感じになるやつ最早なんかお行儀悪い域までいくとちょっとアレだなとは思ってしまったが、それはそれとして「ハァン」ってなった後に饒舌に食レポ始める様子が作中でもたびたび周りの人から変なこととしてツッコまれてたのは結構笑った。

最終回、「高校合格おめでとう!言い忘れてたけど今日から居候すっからヨロシク!これからは学校でも家でも一緒だね!!!」って言われたらいくら仲のいい間柄でもちょっと嫌だけどなと思った。

シドニアの騎士 あいつむぐほし

むぐほしってなんだ???

観始めたときは例によって「人物のモデルがな~……」みたいなことを思っていたわけだが、戦闘シーンは満足だった。
ところで映像版では作中で10年が経過したらしいが(原作ではどうだったか覚えていない)、不老不死の谷風だけなんかモデルが変わったように見えるのに他の普通の人たちは逆に全然変わらないのどういうこと???

劫衛・継衛改二の同時発進とか、居住区での戦闘とかとにかく岐神が活躍する辺りがいちいち(なんなら主人公の谷風より)カッコよくてずるかった。発進シーンのところで一作目のOP映像と同じタイミングで推進装置開放するの芸細。
でも発進してすぐシーンが切り替わって勢いが削がれるのはどうなのって思った。

原作読んでたときにも思ったけど、最後につむぎが人間(とほぼ同等の存在)になっちゃうのは「よかったねえ」という気持ちと「おいおいそりゃ台無しだぜ」という気持ちがないまぜになって非常にモヤモヤした。

戦闘妖精雪風

Chapter5が全く分からんかった。(他も分からんかったが)
戦闘機とかアビオニクスかっけぇとかそういうところで満足感はあったのでよかった。

戦闘機動中にテキストベースでコミュニケーション図ってくるAIって不便そうだなあと思った。

天気の子

当時公開前に出てた小説読んで映画はもう観なくてもいいかなと思ってそのままだったやつ。
配信ならと観てみたところ、まぁ、ほんとに観なくてもよかったわ。

背景美術の出来以外にいいところがとくになかった。

風都探偵

誰も本人が出てない(出てないよね?)のにめちゃめちゃ完成度高いダブルの続編になっていてとても良かった。
12話と短いのが残念だった。24クールやってくれ。

変身のときのガイアウィスパー「サイクロン」「ジョーォオォカァアアアアァ!!!!」のところで丁度よくBGMが終わるやつやってくれたらもっと良かった。


読んだもの

うんちの行方

中身はどっちかというと「便器と下水道の歴史」という感じではあった。
下水道の仕組みを作り上げた人たちは偉大すぎる。衛生的に排便できる時代に生を受けることができてとてもよかった。ありがとうお父さん。ありがとうお母さん。
あと数十年早く生まれてしまうだけで鉄道が糞尿をまき散らしながら突っ走る時代だったらしいので危うかった。

ページをめくっていて突然身近な地名が出てくると無駄に盛り上がるきらいがあり、住処から歩いて数分の施設の名前が突然飛び出してきたりして本来的にはべつに意図されていない楽しみ方もできて嬉しくなってしまった。

決定版 和菓子教本

この記事の紹介順に悪意はない(50音順なので)

紹介される材料がすべて"製造"用の配量なので気軽にページを開いて普段見ない桁が飛び出てきて笑った。そりゃそうだよ職人のための教本だもの。
お菓子や工程の写真は見ていてとても楽しいので、これを眺めながら元気などがあるときに何かしら調べて作れたらなぁと思う(薄弱な意志

焼き菓子のページ見ていて、どうしておれはオーブンがついていないレンジを買ってしまったんだろうという気持ちは強まった。

すずめの戸締り

文章を読んだ限りでは印象に残ったところはとくになかったかもしれないというか、話の良し悪しがどうとか考える以前のところで自分にとっては読んでいて文章がキツかった記憶がある。
映像で観たらまた違うのかもしれないと最早あまり本心で思っていない言い訳はしてみる。

昔の一作品が(偏執的に)好きな反動なのか知らないが最近は毎度逆張りクソ野郎みたいなことになってしまっているのでとても悲しい。


  1. 何を言っているんだお前は。 ↩︎

  2. 何を言っているんだお前は。 ↩︎

  3. 何を言っているんだお前は。 ↩︎

  4. 何を言っているんだお前は。 ↩︎